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13
May 2013
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別に、取り立てて理由がある訳ではない。
「きれいだったから」それ以外に何もない。
「ぜひ、見てもらいたくってねえ」そう言ってこの花束を持って来てくださったのは、おそらくは僕の母
親よりも年上の女性。
「小さな庭なんだけどねぇ… あなた! これが地味なりにいろいろあるのよ。この間話したのこれ
よ。ー そうだっ、見せてあげよう ー って思ってね」
ご自身だけの、大切な大切な世界。大好きな小さな花々の中で、こちらを思い出してくれた、その瞬間の
事を 思うと、嬉しい。
「我が家のバラが、満開になりました!」
写真と共にそんなメールを送ってくれたのは、僕より2周りも若い女性。
少し前に話した、
「来月の中頃は、楽しみだね」
「そうなんですよ〜♡」
そんな他愛のない会話を、ひと月も覚えていてくれた事を思うと、嬉しい。
咲き誇るバラのアーチ。妙齢の彼女に相応しい、麗しい大輪の花々。
手で摘んで、紙で包んで直接持って来てくださった老婦人。リアルタイムにメールをくれた、若い女性。
ほんの僅かでも、心の隅っこの隅っこでも、こちらを気にかけていてくれる人たちがいてくれた事が嬉し
い。
世代は大きく離れて、その手段も全く異なって… でも、いただいたのは同じく女性らしい優しさ。
ただ、「きれいだから、見せてあげよう」
優しさを動かした、そして某君の心を満たした、美しさの持つ力…
素敵な事だ。
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