6th Feb. 2014


多摩川桃源郷にて







「おーっ、来た来た。 やっと来やがった… おーい、こっちだ、こっち」
「おおっ! いたいた。悪りぃ悪りぃ」
「ったくよぉ、いつまで待たせんだよ」
「悪りぃな… まぁいろいろあってな。未練もあるし」
「こちとら、すっかり出来上がっちまったぜ… ネエさん、ちょとそこ少し空けてくれよ、こいつ入らせっからよ」
「ハーイ」
「いやいや、ごめんごめん、ごめんなさいよっと」
「おしっ、どうすんだ、ビールでいいのか?」
「おっ、とりあえず頂こうか」
「ネエさん、悪いね。こいつに生ひとつ持って来てくれないか」
「ハーイ」
「よっ、んじゃまあ、乾杯だな。よく来たな」
「ああ、待たせたな。久しぶりだな」
「ほんと、久しぶりだな。まっ、じきに来るとは思ってたけどな」
「うん… 会いたかったよ、もじょ…」
「馬鹿ヤロッ、しみったれんな」
「ああ… ごめんごめん。もう、なにもかもいいんだもんな…」
「そうだよ。もう、 なんでもいいんだ。 おっ、いいねぇ。次はどうすんだ?  ポン酒いくか? なら、あそこの滝だ、飲み放題だ。なかなかいけるぞ」
「どこだ?」
「あそこだ、あそこ。ほらっ…ったく、じれってぇなぁ… ネエさん度々悪いね、ちょっとこいつをあそこ、あのヨー ローまで案内してやってくれないかね。まだ、ここ慣れてないもんでね」
「ハーイ」





桃色の霧が立ちこめ、 暖かくて、いい香りがして、半分裸の綺麗な女の人が沢山いて、飲み放題…
いつか、そんなところで会えたらいいね。

ごめん、1人だけで少し酔っぱらって… なんだかくだらん事を色々想うよ…
でも、もじょ。いつかきっと、きっとそこで一緒に飲もう。
今は、見果てぬ夢だけど…






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